ゼウスの最初の結婚
ゼウスはヘラと結婚する前、知恵の女神メティスに言い寄りました。
ゼウスに言い寄られてしまったメティスは、自らの身を様々なものへ変化させて、何とかゼウスから逃げようとしますが、全くゼウスは諦めません。
彼は女性を口説くことにかけては、マメマメしく、そしてしつこさを発揮します。
ついに、メティスは逃げ切れなくなり、ゼウスの子をはらんでしまいます。
このとき大地の女神ガイアから「メティスがこれから生む子は女の子だけど、次に妊娠することがあれば、そのときは男の子を生み、その子はおまえよりも優れていて、おまえが父から支配者の地位を奪ったように、おまえから神々の王の地位を奪ってしまうよ」とゼウスに預言が下されます。
神々の王の座を奪われたくないゼウスはどうしようかと考えました。
結局、ゼウスはメティスの元へ行った時に一緒に寝室へ行き、油断しているメティスを口をあけて呑みこんでしまいます。
そして、知恵の源泉を自分の中に持つようになったのです。
父の頭から生まれた女神アテナ
ゼウスがメティスを呑みこんでしまって、しばらくした時のことです。
ゼウスは湖のほとりで、突然激しい頭痛におそわれてしまいます。
あまりの激痛にゼウスは泣き叫ぶほどです。
痛さに耐えられなかったゼウスは、頭痛の原因を取り除こうと、自身の頭を割って穴を開けさせます。
すると、その穴から全身を完全に武装した姿の女神が、大きな声をあげながらとびだしてきたのでした。
戦いと知恵の女神であるアテナの誕生です。